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PRIME NEWS 2010年8月23日放送分

以下、『PRIME NEWS』2010年8月23日放送分、「どう動く! 迫る代表選」のレビューです。

23日(月)のPRIME NEWSでは、鳩山前首相をスタジオに招いての、民主党代表選挙への展望が議論されました。

途中までしか視聴していないのですが、印象に残ったのは西岡参議院議長による「政治に残された時間と余白はあるのか」という声明です。これは当放送と同日23日に、国会内でわざわざご自身によって開いた記者会見の場で、あらかじめ用意しておいた文章を読み上げる形で述べられたものです。

     

下記添付写真は、番組内における上記声明を要約したフリップです。

この声明のさらなる詳細は、こちらをご参照ください⇒『民主党代表選と西岡参院議長の「正論」と』(国を憂い、われとわが身を甘やかすの記)

さて、上記声明に対する鳩山前首相のコメントですが、簡単に言うと、「政策内容の相違ではなく、政策を実現していく能力を巡って代表選が戦われることもあるのだから、負けたからといって必ずしも離党しなければならないわけではない」というようなものでした。これは、上記声明のなかに「代表選に出るということは、自らの政党の現政策・理念に異を唱えることだから…」という趣旨が含まれていたことに対する反論だと思います。

また、「敗者にポストが与えられる」「就職活動劇」という批判に対しては、閣僚のポストについては首相自身が、任せるべき役割があると思うなら任命すればよいし、そうでなければ選ばなければ良いので、批判には当たらないとのことでした。

     

これらはまあカメラの前では致し方のない建前論で、実際には西岡氏が主張されている通りだと思います。

鳩山氏は自身の前内閣において、数ヵ月後には<ここ数カ月の政策には友愛の政治は十分に見えない>と言うようになるほど理念において隔たりのあった管氏を副大臣のポストに任命しなければならないほど、複雑な駆け引きがあるのでしょう。(時事通信8月27日)

    

     

また、番組内で特に気になったのは、鳩山氏が自身の退任について「同志に迷惑をかけられなかった」という点を強調されており、またその後の管内閣での参院選について「(支持率の高いうちに実施できれば)もっと救える人(議員)が多かった」と述べられていることです。

また、代表選の行方については、「世論的には小沢氏は支持を受けにくい」としながらも、「国家運営をしていく上では小沢氏が適任」という見方を提示されていました。

そして続けて、野党と政策毎に協議し妥協点を模索していかなければならない現在のねじれ国会について、そこに新しい民主主義の在り方を見出すことができるという趣旨のことをおっしゃっています。

    

民主主義って一体何だったけ? と、こちらが眩暈を起こしそうになるほど政治業界ならではの偏狭な視点で語られています。

基本的に、現在日本に行われている政治は、ほとんど政治とは呼べない代物です。

たとえばアメリカ合衆国の政治学者デイヴィッド・イーストンは、政治を「社会に対して行われる諸価値の権威的配分」と定義しています。つまり、希少性ある富をめぐって起こる人々の間の紛争を、強制力を伴った適切な再配分を行うことによって解決すること、それが政治だというわけです。

このような定義における政治が戦後日本になかったことは、ある意味では当然のことだと思います。そもそも高度経済成長期において、程度の差はあれども、ほとんどすべての国民が豊かになっていったのですから、再分配を巡る紛争は切実さを持ちえません。

     

ですが、今後はそのような過去とは違ってくるだろうと予想されます。持てる者と持たざる者との対立や、価値観や理念の対立が、より鮮明でかつ切実なものとなってくるでしょう。

政治家は、自身がどの層のどのような利益を代表しているのかに対して自覚的にならざるを得なくなるでしょうし、一方で尖鋭化した対立関係においていかに「クーデター」や「内乱」や「戦争」を避けるのか、という知恵が必要となってきます。

現在の政治は残念ながら未だ過渡期にあって、昨年の政権交代は小さな予兆に過ぎません。

しかし、そろそろ国民に対して「国民の皆さまに…」と呼び掛ける政治屋に代わって、「私たち国民は…」と語り始める政治家が現れても良いのではないかと思うのですが。

     

以上