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メディオロジー宣言

メディオロジー宣言 (レジス・ドブレ著作選) メディオロジー宣言 (レジス・ドブレ著作選)
レジス ドブレ 西垣 通 by G-ToolsNTT出版 1999-10
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メディオローグには、様々な要因の秩序を複雑化するのみならず、逆転させることも必要なのである。福音の「前に」教会を、理論の「前に」政党を、教科書の「前に」学校を配置すること。楽譜の前にオーケストラを配置するのである。

マルクス主義への傾倒、キューバ革命の聖典『革命の中の革命』を刊行、ゲバラとともにボリビアでのゲリラ戦に参加、収監され死刑宣告、ローマ教皇やシャルル・ド・ゴール元大統領などによる助命嘆願運動によって釈放。…
    
1940年生まれのドブレは、東西冷戦時代の激動をその渦中で過ごした思想家であり、また運動家でもあります。
    
そして、革命の世紀を経て彼が辿り着いた新境地は、「メディオロジー」という新たな学問領域の構想でした。
「メディオロジー」とは、ある言説や特定の思想の流通に対して、マクルーハンがやったような本や映像受信機といった物質的媒体から考察するという方法をさらに超えて、それらの物質・材料を取り巻く社会的・技術的な環境にまで思考を進めて包括的に捉え直すものです。
     
そんなドブレの「メディオロジー」についての著作をまとめたのが本書であり、刺激に満ちた「メディオロジー」の核心に迫る内容となっています。

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ユリイカ2010年8月号

ユリイカ2010年8月号 特集=電子書籍を読む! ユリイカ2010年8月号 特集=電子書籍を読む!
京極 夏彦 佐々木 俊尚 堀江 貴文 桜坂 洋 前田 塁 by G-Tools青土社 2010-07-26
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2010年8月号の『ユリイカ』は、「電子書籍を読む!」という特集が組まれており、作家や研究者などによる様々な論考が収録されていました。
     
興味深いものが多かったのですが、中でも「電子書籍」の台頭によって、「読む」という行為がどのように変質するのか、という論点には考えさせられるものがありました。
     
また、「知」というものが、どういったメディアを通して人々に共有され、それがどのような権力構造を形成してきたかを分析した師茂樹氏による<「公共の記憶」としての電子書籍>や、「一日に一ページしか読めない本」や「ほかの誰かがその本を読んでいるときには読むことができないように制御された、一冊しかない本」といった楽しいアイデアが散りばめられた山田亮太氏による<書物は存在可能か 電子書籍でつくってみたい50の本>といった寄稿も非常に示唆に満ちています。
     
グーテンベルク革命以降において私たちの「知」を支えてきた枠組みが、「電子技術」によって確かに揺らごうとしています。しかしそういった大きな変化に恐れをなすのではなく、知性をもって果敢に適応していこうとするポジティブな姿勢を、今回の『ユリイカ』8月号から読み取ることができたような気がします。

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