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JMM597M - 有効と思われる景気対策とは?

以下、『Japan Mail Media』月曜版のNo.597に対するレビューです。

     

まず、今回の設問である景気対策についてですが、

本日16日は内閣府による2010年4-6月期のGDP速報値の発表がありましたので、たとえばNHKの19時台のニュースや夜の民放報道番組などにおいても、その発表に合わせた内容が組まれていました。

具体的には、現在の景気状況がどういった局面にあるのかという問いに対する専門家・識者の分析、また政府による景気対策としてエコポイント制度による家電業界の活性化や、エコカー補助金による自動車市場、あるいは子供手当てをターゲットにしたビジネスなどが紹介されていました。

そんな中で、本日配信のJMMでは「有効と思われる景気対策とは?」という設問があるわけです。

     

さて、その内容をざっくりレビューします。

     

まず、信州大学経済学部教授の真壁昭夫氏は、「金融政策」・「財政政策」・「規制緩和」という3つの観点から回答されています。

真壁氏は、金融政策に関しては現在の日本経済の状況下では期待できないとし、財政政策と規制緩和政策の2つの景気対策の長所と短所を解説し、その上でうまくミックスして施策することが重要だと述べられています。

     

日本語学校教師で評論家の水牛健太郎氏は、「有効と思われる景気対策」という設問に対して、いわゆる「小さな政府論」を展開し、規制緩和を提言しています。

     

一方、伊藤忠商事金融部門チーフエコノミストの中島精也氏は、’08年9月のリーマンショック以降において政府が実施してきた財政・金融政策に一定の評価を示しています。ただし、これまでの相当規模の景気対策と現在の財政状況を考慮すると、また成長期待が低下しており設備投資などの資金需要が高くないことも含めて考えると、財政・金融政策として「有効な」景気対策を打つことは難しいと判断されています。

     

BNPバリバ証券クレジット調査部長の中空麻奈氏は、政府が取りうる景気対策のなかでも特に「規制緩和」に対して、それが観光に対してなされるのか、流通障壁に対してなされるのか、対象によって景気対策としての「有効性」がずいぶん違ってくるという点を指摘されています。

     

JPモルガン証券日本株ストラテジストの北野一氏もまた、財政金融政策には景気循環を均すという短期的効果しかないとして、「規制緩和」についての議論を展開されています。しかし一方で、内閣府が実施している「国民生活に関する世論調査」のデータをもとに、国民の側からは「規制緩和」への期待がそれほど高まっていないことを指摘してきます。

    

一方、上述の論者達とは異なり、生命保険関連会社勤務の杉岡秋美氏は、「規制緩和」が差し迫った需要不足という課題の解決には「有効性」が低いなどとして、積極財政+超金融緩和政策がもたらす可能性のある、それらの景気対策としての「有効性」を提言されています。

     

メリルリンチ日本証券ストラテジストの菊地正俊氏の回答は明確で、「円高に歯止めをかけること」です。

ところで、菊地氏も上記北野氏と同様に「国民生活に関する世論調査」を例に、国民側において政府に対する具体的な「景気対策」がないという点を議論されています。

     

金融機関勤務の三ツ谷誠氏は、上述の論者達とは全く異なる視点から回答されています。その提言とは、「道州制の導入」と「遷都の宣言」です。それらの議論自体は珍しいものではありませんが、「景気対策」に絡めて述べられている点が面白いです。興味が向いた方は『JMM597M』をご参照ください。

     

全部紹介するのは疲れますので、レビューは以上とします。上記以外にも、「法人税の廃止」などの提言や、金融政策・財政政策・規制緩和に関する興味深い議論が行われていました。

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<プレビュー>

JMM金融・経済における今週の配信は、<世論調査において約7割の人が優先してほしいと考えている日本政府による「景気対策」について、有効だと思われる策は何か>でした。レポートは別途エントリーで上げますので、興味のある方はタグ”JMM”でご参照ください。なお、次回の配信は2010年8月23日(月)です。

次週のテーマは、

円高が進んでいるようです。以前、為替(外国)といえば対ドルでした。今は、ユーロが誕生し、中国元の存在感も増して、複雑になっている気がします。現在の円高を、どのように考えればいいのでしょうか。

です。

 

以上。