動物化するポストモダン

動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書) 動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)
東 浩紀 by G-Tools講談社 2001-11-20
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フランスの哲学者リオタールによって「大きな物語の凋落」と指摘されたポストモダン。

そうした「大きな物語の凋落」後の時代において、どのような文化的・社会的状況が現れているか。
それが本書の主題です。

著者の東氏は、そのような主題に対して「オタク」をモチーフに言論を展開されています。
大塚英志氏や中島梓氏といった批評家によってなされたオタク論・消費社会論の引用。またボードリヤールやコジェーブといったフランス哲学を援用しつつ、「データベース消費」や「動物化」といった概念を用いて氏はポストモダン論を展開しており、そのモストモダン的状況をもっとも良く説明し得る対象としてオタクを「詳細に」取り上げているのです。

コミックマーケットに56万人が来場し、ニコニコ動画の有料会員数が100万人に迫るなか、国外で日本のサブカルチャー文化がもてはやされるなか、すでに「オタク」はマイノリティとして無視できない存在となっています。

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NNN ドキュメント

『NNNドキュメント』 - ”希望”や”絆”を描く、報道ドキュメンタリー番組 

メディア紹介No.067 - 『NNNドキュメント

     

スペック
運営者: 日本テレビ系列(毎週系列局のいずれかが制作※持ち回りではない)
デバイス: TV
形式: 音声, 映像
フィールド: 社会, 歴史, 人物
更新頻度: 週刊(日曜:24:50-)※
アクセス: NNN系列のチャンネル

※基本的には30分番組ですが、ときどき50分枠で放送

     

紹介文
『NNNドキュメント』は、1970年にスタートした歴史ある報道番組で、1975年には第15回エミー賞国際部門を受賞するなどといった実績を誇ります。

番組内容として、平和・福祉・教育・雇用などといった分野に関わる現代的な社会問題をテーマに、人々への密着取材を通して、生きる力をとなる”絆”や”希望”を描こうという趣旨で制作されています。また、全国ネットであるものの番組制作をキー局の日本テレビだけでく、毎週各地域の局のいずれかが担当するというスタイルを取っているため、地元に根付いた地域の視点をもってテーマを深く掘り下げることが可能となっています。

      

以上。

週刊朝日

『週刊朝日』 - 1922年創刊の老舗週刊誌

メディア紹介No.037 - 『週刊朝日

 

スペック
運営者: 株式会社朝日新聞出版
デバイス: Paper
形式: テキスト, イメージ
フィールド: 総合
更新頻度: 週刊(毎週火曜日発売)
アクセス: コンビニ, 書店, 駅売店, amazon, Fujisan.co.jp

 

紹介文
『週刊朝日』は1922年に創刊されました。第一次世界大戦の戦争特需によって空前の繁栄を謳歌したアメリカ合衆国がヨーロッパ・ロンドンに代わって世界経済の中心となり、大量生産・大量消費の大衆生活スタイルが確立され、ラジオやレコードが新しいメディアとして普及し、ファシズムの台頭がはじまった時代です。
その後、『週刊朝日』は「大衆」という時代的な受け皿の確立を背景に部数を伸ばし、1958年には出版部数が150万部に達しました。ちなみに1958年当時の日本の人口は約9200万人です。
そんな『週刊朝日』も1977年には48万部、2006年には32万部と年々部数を減らしています。今後『週刊朝日』がどうなるのかは誰にもわかりませんが、少なくとも現在『週刊朝日』で執筆している「記者」の方々は、『週刊朝日』がどうなろうと、今後も「記者」で在り続けるのだと思います。「週刊文春」の紹介文でも書きましたが、自分のお気に入りの記者とそうでない記者を発見・確認する見本市的な契機として『週刊朝日』を購読するというのも、一つの読み方ではないでしょうか。
ちなみに筆者は実家の両親が『週刊朝日』を毎週購読していますので、実家に帰ったときにまとめ読みすることが多いです。

     

以上。

定本 物語消費論

定本 物語消費論 (角川文庫) 定本 物語消費論 (角川文庫)

大塚 英志 by G-Tools角川書店 2001-10

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『定本物語消費論』は大塚英志氏の著作で、’89年に刊行された同氏の『物語消費論』を加筆・訂正し、「補」を新たに加えたものです。

大塚氏は当時子どもたちの間で人気だった「ビックリマンチョコレート」なる商品に着目し、その消費行動を支えている背景へと考察の目を向けます。それは、個々の商品ではなく、それらの商品群を通して現れる一つの「世界観」が消費されている、というものでした。

そして、そうした「世界観」は送り手によって一方的に構築され与えられるものではなく、商品一つ一つに付されたシールに刻印されている情報の断片をもって、消費者自身の手で創り上げられていたのです。

フランスの社会学者ボードリヤールを引用しつつ、また柳田民俗学における近代以前の日本を対象とした物語論を紹介しつつ、大塚氏は現代消費社会の置かれた状況を「物語消費」という概念を用いて説明しようと試みています。

この本によって示されている大塚氏の消費社会論やポストモダン論、サブカルチャー論は、たとえば東浩紀のような後の研究者へと連なっていきますが、今から20年前に記されたこの『物語消費論』は、今でも有効な一つの参考文献として必読でしょう。

ちなみに、大塚氏は本書において、すでに現在のワンピース・ブームを具体的に予見されています。

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ETV特集

『ETV特集』 - 考えるヒントを提供する「心の図書館」

 

メディア紹介No.066 - 『ETV特集

 

スペック
運営者: 日本放送協会(NHK)
デバイス: TV
形式: 音声, 映像
フィールド: 社会, 歴史
更新頻度: 週刊(日曜:22:00-)※終了時刻は日によって変動
アクセス: NHK教育のチャンネル, NHKオンデマンド
      

紹介文
『ETV特集』は、NHK教育テレビ唯一の定時ドキュメンタリー番組で、たとえば「中国残留孤児」や「普天間移設問題」といった社会問題や、シリーズとして「日本と朝鮮半島2000年」といった歴史にまつわるトピックなどをその内容としています。

普段ほとんど見ないチャンネル(NHK教育)ですので、実は筆者はこの番組をまだ観たことがありません…。またきちんと観た上で、必要に応じて紹介文を改訂したいと思います。

      

以上。

情熱大陸

『情熱大陸』 - 第一線で活躍する人物にスポットを当てたドキュメンタリー番組

 

メディア紹介No.065 - 『情熱大陸

     

スペック
運営者: 株式会社毎日放送
デバイス: TV
形式: 音声, 映像
フィールド: 人物
更新頻度: 週刊(日曜:23:00-23:30)※
アクセス: TBS系列のチャンネル, 秋田テレビ

※秋田テレビは土曜日25:15-25:45で放送されます。

     

紹介文
『情熱大陸』は、アスリートや俳優、音楽家や研究者、また起業家など、さまざまな分野で活躍する「人物」にスポットを当てたドキュメンタリー番組です。

その週に紹介されている人物をもともと知っていてファンだという方にとっても、密着取材によって構成された番組できっと新しい一面を発見することができるでしょう。

また、その人を知らない、という方であっても、普段はなかなか知ることのできないさまざまな職業の裏側の世界をのぞき見ることができる番組です。

葉加瀬太郎さんによるテーマ曲も力強いもので、番組の趣旨通り<次の日から始まる長い一週間を前向きに生きるための力>を感じることができるものとなっています。

     

プレビュー

次回2010年8月22日(日)放送は、<ダンスパフォーマー 上野隆博(TAKAHIRO)>です。脱サラしてから5年で、HIPHOPの聖地ニューヨークでトップダンサーに上り詰めた今世界のダンス界で最も注目されている日本人ダンサーです。

 

以上。

資本主義を語る

資本主義を語る (ちくま学芸文庫) 資本主義を語る (ちくま学芸文庫)
岩井 克人 by G-Tools筑摩書房 1997-02
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商業資本主義においては共同体と共同体のあいだの価値体系の差異、産業資本主義においては労働の生産性と実質賃金率とのあいだの差異、そして現代的な資本主義においては、企業と企業のあいだの生産技術や製品仕様や通信ネットワークの差異によって利潤が生みだされてきた

本書は『不均衡動学』の提唱者である経済学者岩井克人氏による、資本主義論です。

第Ⅰ部において「資本主義」が語られていますが、その第一章で、岩井氏はマルクスにおいて断絶とみなされていた「商業資本主義」と「産業資本主義」を、「差異の原理」によって連続のものとみなすことから始めます。そして、そのような「差異」から捉え直した資本主義論を現在の「ポスト産業資本主義」へと展開していきます。

面白いのは第二章で、資本主義論において「利潤」がどのようにして生まれるのかを「差異」から説明しようとした岩井氏は、当然今度は「差異」がどのようにして生まれるのかを説明しなければなりません。ここにおいて、岩井氏の「不均衡動学」なるものが登場するわけです。

つまり、岩井氏は「利潤」は「差異」から生じ、「差異」は「不均衡」から生じるといっているのです。そしてその「不均衡」は「均衡」の例外として現れるものではなく、長期的に続いているものだと提言することで、ここにおいて岩井氏は主流の経済学と決定的に対立することになります。
なぜなら、主流の経済学においては「均衡論」が支配的であったからです。
こうした主流派に対して自己の経済学理論(特に不均衡の持続可能性)を主張する際に彼が援用したのが「進化論」でした。

本書では、そのような岩井氏の「不均衡動学」および、そこから描き出される資本主義論を理解するにあたって非常にわかりやすいものとなっています。
また、その他にも「法人」や「社会主義」への興味深い議論も収録されており、非常に平易で、読みやすく、かつ楽しめる本となっています。

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