スポーツ大陸

『スポーツ大陸』 - NHKのアスリートドキュメンタリー番組

メディア紹介No.050 - 『スポーツ大陸

 

スペック
運営者: 日本放送協会(NHK)
デバイス: TV
形式: 音声, 映像
フィールド: スポーツ全般
更新頻度: 週刊(日曜:10:05-10:50)※1
アクセス: NHK総合のチャンネルで、日曜:午前10時05分~ ※1, ※2
※1, 2010年4月から変更される放送日時で記述しています
※2, 関西地方は同チャンネルで火曜:24時15分~

 

紹介文
『スポーツ大陸』は、「アスリートたちの真の姿を描きスポーツの魅力に迫る」(スポーツ大陸HP)という趣旨で制作・放送されているNHKのスポーツドキュメンタリー番組です。
番組全体を覆う陰鬱さはNHKの常時装備ですので、当『スポーツ大陸』も例にもれず、まるで故人を語るようなしめやかさに包まれています。
とはいうものの、『スポーツ大陸』は個々のアスリートに焦点を当てた45分のドキュメンタリー映像として、密着取材から得られた選手の心理における機微, 戦略性, 葛藤と克服のドラマ, などを存分に描き出していると言えるでしょう。
この陰鬱な演出を目の当たりにした子供たちがアスリートになりたいと思うかどうかは別にして、そこで描かれる選手たちの胸が苦しくなるような物語を観れば、彼/彼女が引退するまで応援し続けたくなるような心に訴えかけてくるものを感じずにはいられません。
特に、これまで興味がなかったようなアスリートを取り上げている日には、ぜひ45分間を『スポーツ大陸』に割いてみてはいかがでしょうか。不思議とそのアスリートとそのスポーツに興味が湧いてくることでしょう。

 

プレビュー

次回のスポーツ大陸は、『ウェイクボード・浅井未来』です。

鹿児島県出身のプロウェイクボードライダーである浅井未来選手は、2005年よりアジアンオープンツアー4連勝中のトップライダーであると同時に、2008年より競技普及の一環としてテレビバラエティ番組出演やグラビア活動などを行っています。

なお放送日時は、BS1で8月21日(土)22:00-、NHK総合で8月22日(日)10:05-(関西地方では8月25日(火)深夜24:15-)です。

 

以上。

ガイアの夜明け 「価格vs個性 ~ここまで来た!新・外食戦争~」

先日放送されたガイアの夜明け2010年8月10日放送分では、外食産業の現状が取り上げられました。

270円均一という低価格サービスで攻勢を強める外食チェーンと、古き良き時代の雰囲気を再現する「横丁」に活路を見出す個人経営の飲食店という構図で、現在の外食産業における取り組みが紹介されていました。

 

外食チェーンの強みは、「低価格」よりもむしろ価格を含めた「信用」にあるといえるでしょう。つまり、「○○○」という居酒屋に行けばある一定の「安定したサービス」を受けられるという消費者にとっての予測可能性です。逆に個人経営型飲食店にとっての強みは「個性」すなわち「顧客ロイヤリティの高さ」ではないでしょうか。

一概にはいえないかもしれませんが、外食チェーンは大量な顧客を相手にすることで外因性の変化に強いものの、常に変革を求められるという宿命を背負っています。逆に、個人経営型飲食店は、一部の既存顧客を相手にすることでランニングコストを抑えることができるものの、資本力もなく外因性の変化に弱いといえるのではないでしょうか。

 

「横丁」の再現という戦略が正しいのかどうかはわかりませんが、個人経営型飲食店が集まることで多様性を確保していこうという試みはとても興味深いものでした。

 

また、番組を見ていて面白かったのが、外食チェーン側の企業として紹介されていた「三光マーケティングフーズ」と、「横丁」プロデューサ―として個人経営飲食店側において紹介されていた浜倉好宣さんとのコントラストでした。

 

「三光マーケティングフーズ」は「注文のタッチパネル化」や「最新の調理機器」の導入や、ドミナント戦略による地域集中投資型マーケティングなど、いかにも「新しい」ものとして紹介されており、仕入れ総責任者が価格交渉に訪れた先は地方の食品加工「工場」でした。しかし、その社内に目を向けると壁に貼られた紙資料や、新商品に義務付けられている社長承認、男性ばかりの従業員、職場で飛び交う怒号など、いかにも「古風」なのです。

 

逆に、「横丁」という古き良き時代を再現しようと取り組んでいる浜倉さんはというと、カラフルなシャツにジーパンという出で立ちで、70年代のフォークソングを彷彿とさせる、およそサラリーマンではないスタイルで、よく確認できませんでしたがスマートフォンを片手にビジネスを進めていたように思います。そして、三光マーケティングフーズが「工場」を訪れたのとは対照的に、彼が仕入れ交渉として訪れた先は「農家」でした。また、おそらく基本的には個人で活動されているのだろうと思いますが、樹木状の組織ではなく、リゾーム的な個人間ネットワークのなかでビジネスをしている、そんな「新しい」働き方という印象を受けました。

 

外食は、長いスパンで見たときに「社会におけるコミュニケーションの在り方」の基礎を形づくります。もちろん外食産業がコミュニケーションの在り方を決定するというわけではなくて、消費者と外食企業との間で相補的に作り上げられていく、ということです。

 

環境の変化によって変革を迫られている個人経営型飲食店の試みは、おそらくはその多くが失敗に終わるのだと思いますが、その中のほんの一握りの危機感をもった改革が、飲食店という括りを超えた普遍性をもつことがあるのではないかと思います。

 

以上。

ビールが象徴するもの

“モーニングスター”というサイトで、「生き残りをかけるビール業界」という記事があがっています。

日本国内に関しては、アサヒとキリンという大手の株価推移を取り上げながら、全体としてビール各社が苦境を強いられているという論調で記事が書かれています。

日本におけるビールの歴史は江戸時代にまで遡るほど古いものですが、「今」どのような消費文化が形成されているか、という点を見ることが今後を見通すうえで重要となってくるでしょう。

 簡潔に述べるなら、今日本において「ビール」という商品の消費はサラリーマンという集団のもつ二つの文化・ライフスタイルを象徴しています。一つは家族間コミュニケーションに積極的ではなく、御茶の間ではテレビで野球中継を観戦してきた高度経済成長期における「父」の在り方。もう一つは日本の企業文化における未だに強い同期生意識と上下関係、そして会社への高い帰属心です。

前者はビールの家庭内消費と結びつき、後者は外食におけるビールの消費を結びついてきました。たとえばプロ野球とビールとは強い関連性をもって一つの文化を形成してきました。プロ野球観戦では今でもスタンドで売り子によってビールが売られている光景を見ることができますし、優勝チームにおいて祝勝会でシャンパンファイトならぬ「ビールかけ」が行われます。

テレビと冷蔵庫の普及が進んだ1960年代以降、仕事を終えて帰宅したサラリーマンが、ビールを片手に野球中継を観戦するという一つの御茶の間文化が日本において形成されており、2000年頃までは巨人戦の平均視聴率はおよそ20%だったといいますから、それがいかに日本の至る所で見られた光景であったかは想像に難くありません。

もちろん、そのような文化・生活スタイルはビールという一個の商品カテゴリーにだけに象徴されているのではなく、つまみやちゃぶ台、野球中継時の広告枠など他の多くの商品群とともに、相補的に発展してきたものです。

 

言語学者のソシュールは、言語の本質を「意味するもの」と「意味されるもの」の結合に見出しました。つまり、言葉の意味はアプリオリにあるのではなく、差異体系における示差的な関係として現れるというのです。

またフランスの思想家であるボードリヤールは、現代の消費社会において、モノは使用価値としての物理的属性だけでなく、一つの記号として文化的価値を消費されているといっています。

こうした考えは今や新しいものではなく、たとえば人類学者のグラント・マクラッケンは、車/パソコン/洗濯機のような機能性分類ではない、モノの文化的側面に注目したときに形成される商品群を指してディドロ統合体という概念を用いて説明しています。

 

商品(モノ)は、社会内で生産・流通・消費されていく過程において「意味」を獲得します。誤解を避けるためにより正確に表現すると、社会内における商品(モノ)の生産・流通・消費は「意味」の発生を必ず伴うのです。若者のビール離れは、ビールという商品消費における文化的背景の変化を示していると考えられます。マクラッケンに従って表現すると、ビールという商品を部分にもつ一つのディドロ統合体が失われつつあるということになるでしょうか。

簡単に言うと、「ビールなんてオヤジの飲み物で古臭いよ」ということですが、企業側にとってはその程度の認識ではすまされない状況があります。

仮に、もし「若者向けの新しいビール」なるものを作ろうとしている企業があるならば、やめておいたほうが賢明でしょう。「ビール」という言葉のもつ意味(それが連想させるイメージ)もまた、ディドロ統合体に含まれているのですから。全く新しいブランドの確立、つまり商品・流通・価格・プロモーション、すべてにおいて刷新しなければ、「ビール」を含むディドロ統合体の意味体系に結局は回収されてしまうことになります。

アルコール飲料メーカーにとって苦しいのは(他の大企業も同じですが)、国内においてかつてビールが創り上げたようなマス・マーケットがもはや存在しえなくなりつつある、という点でしょう。人々の趣味・趣向・価値観が多様化していく現代にあたって、以前のように莫大な利益をもたらすディドロ統合体は国内的には成立し得ないのです。

大企業にとって取り得る選択肢は多くありませが、キリンとサントリーの経営統合が破綻した今となっては当面国外マーケットに大きく打って出ることは厳しくなったと言わざるを得ません。

逆に言うと、けっして大きくはない企業にとって、あるいはこれから新規参入しようという企業にとって、今こそチャンスが広がっている時代は戦後以来この国にはなかったのではないか、とも捉えることができるのではないでしょうか。

ニュースウォッチ9

『ニュースウォッチ9』 - NHK総合の平日21時台ニュース番組

メディア紹介No.053 - 『ニュースウォッチ9

<スペック>
運営者: 日本放送協会(NHK)
デバイス: TV
形式: 音声, 映像
フィールド: 総合
更新頻度: 毎日(月曜-金曜:21:00-22:00)
アクセス: NHK総合のチャンネル

<紹介文>
『ニュースウォッチ9』は、NHKにおいては「NHKニュース21」以来13年ぶりとなる1時間枠の大型報道番組で、国内および国外のニュースを配信しています。
意味があるのかどうかわかりませんが、キャスターから記者にまで原稿持込みを禁止してフリートークで報道を行うという、NHKにしては珍しい取り組みを行っています。
『ニュースウォッチ9』では1時間をかけて政治・経済・社会などに関するニュース、およびスポーツや気象情報を提供していますので、その日の出来事を映像として情報取得するためのメディアとしては十分に価値があると思います。特に、毎日仕事や学校で朝が早くて22時以降の報道番組は辛い・・・、という方は、ぜひ『ニュースウォッチ9』を利用されてみてはいかがでしょうか。

以上。

クローズアップ現代

『クローズアップ現代』 - NHKが月-木で配信する情報ドキュメンタリー番組

メディア紹介No.044 - 『クローズアップ現代

<スペック>
運営者: 日本放送協会(NHK)
デバイス: TV
形式: 音声, 映像
フィールド: トレンド, 社会
更新頻度: 毎日(月-木:19:30-19:56)
アクセス: NHK総合のチャンネルで月~木19時30分から, BS2で月~木24時10分から

<紹介文>
『クローズアップ現代』は、激動する世界状況において今現在を読み解き、未来を見通すために必要な情報は何かということを自問しつつ日々取材を行い、最新の社会動向やトレンド、注目すべき人物などを取り上げて放送しています。
放送時間は一回26分と長くはありませんが、月-木という頻度で放送されていることを考えると非常にクオリティの高い情報ドキュメンタリー番組だと思います。
暗くて陰鬱な感じがするというNHKらしさが気にならないのであれば、映像という表現形式の力をもって「現代」を伝えようとする『クローズアップ現代』は、視聴者に有益な情報を提供してくれるメディアだと言えるでしょう。

以上。