スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護

スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護 スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護
蓮實 重彦 by G-Tools青土社 2004-03-25
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ハスミンこと蓮實重彦氏によるスポーツ批評です。

蓮實氏について若干ご説明しておきますと、氏はハスミンなどと可愛らしい愛称で呼ばれていますが、フランス文学者であり映画評論家でもあり、元東京大学総長という方です。文芸評論や映画評論を数多く書かれていて、その独特で「一見さんお断り」的な文体は「蓮實節」と呼ばれており、彼が’80年代のニューアカ・ブームの担い手の一人であったということは当時を知らない筆者には到底信じらないのですが、事実人気があったそうです。

     
本書『スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護』は、蓮實氏にしては読みやすい文体で書かれている点がまず非常にgoodです。
   
その内容はサッカーや野球を題材にしたスポーツ論で、スポーツが「挫折/栄光」の物語としてではなく、「運動/文化」として捉えられています。そして全編に渡って、日本の既存スポーツジャーナリストには決して書けない重要な示唆で満ちています。
    

たとえば、

規則とは、スポーツが無限の運動であることを抑制するための文化の体系にほかなりません。運動はどこかで始まり、どこかで終わらねばならない。

と蓮實氏は記していますが、このような視点からスポーツを捉えたときに、スポーツのもつ普遍性が私たちの前に明らかとなります。慣習化された規則体系(=文化)は、フィールドの外にも広がって常に私たちを覆い尽くしているからです。

    
スポーツを運動としてではなく物語としてしか語れない既存のスポーツジャーナリズムにうんざりしている方は、ぜひ本書を手にとってみてください。スポーツを娯楽として楽しむだけではなく、きっとそこから人生における重要な示唆を読み取ることができるようになるでしょう。

献本サービスサイトの「Reviewplus」
     

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